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5.高分子(ポリマー)とファンデルワールス力について

【10分でわかるプラスチック洗浄と表面改質レポート】

~高分子(ポリマー)とファンデルワールス力について~
About polymer and the Van der Waals force

・プラスチックを知る上で、まず高分子を述べざるを得ない。周知の方々にはたいへん恐縮ですが、復習と思って頂きたい。高分子とは、一般的にポリマー“polymer”と言われ、多くの元素が集まっているという意味である。熱可塑性(ヒモ状の分子が並んだ集合体の物)と熱硬化性(成形中に高分子化《重合反応》したもの)の2つに分けられる。炭素原子から出来ているもの(C-CX)nと炭素以外のもの{(C)nY}mがあり、規則正しく並んでいる結晶性と、そうでない非結晶性に、また分けられる。

ポリマー拡大図
・さて、本題に入るが、一般の成形品(非結晶性)では、上イメージ図のとおり球状に発展する事である。成形後、冷却プロセス中に、ある部分で結晶化が始まると、周りの分子を結晶内に取り込む。
ただし、分子は長く動きにくいため、無限には発展しない。周囲の分子が動かなくなった時点で停止し、残り部分は溶解していたとおりの分子配列で固まってしまう。
一方、規則性の高い分子は結晶化しやすい。しかし、側鎖が大きい分子は、結晶化しにくい。又、繰り返しが規則的にできていない分子も、また結晶化しにくいのである。共重合体は当然ともいえる。

次にポリマーアロイについて述べる事にしよう。下イメージ図は、主成分の中に第二成分がある。この事を“海と島”と呼ぶ。この写真でわかるように、ポリマー同士は完全に溶解しあっている訳ではない。この島を小さくするには親和性が求められる。これらを通じて申し上げる事は、今後、組織組成を知る上で参考になるからである。そして結果、プラスチックの表面裏におけるドラマを知るための基本となり得ると判断する。

ポリマーアロイ図

さて、プラスチックの挙動について少し申し上げる。材料力学で言う“ひずみ”であるが、公式はE=θ/ε(フックの法則)が基本であろう。
しかし、プラスチックにはこれが通じない。当然といえば当然である。この場合、温特、クリープ、疲労、そして環境(耐候、耐薬)、圧縮、硬さなどであるが、あえて著者は環境耐薬品性に注目している。洗浄というものは直結しているから、当たり前である。通常、移行と呼ばれており、油、酸などの反応を表している。溶剤などに対しては、ヘアークラックが発生していると言っているが、ソルベント反応が生じたと報告書には書く。
洗浄剤の基本は、この二つの事をよくよく知らなければならない。単なる洗浄液の使い分けでなく、プラスチックの表面に付く汚れの中に該当する場合がある。
例えば接着剤の工程がすぐ前後にあったり、空気中に溶剤のガスがあって、原因不明の不良を引き起こしたケースもあるほどだ。特に塗装工程のあるところでは要注意なのだ。

 

長々となってしまったが、補足として今や材料メーカーは分岐を増やし、分子量を高くしたり分子量分布を均一化させる事によって衝撃性を向上させるスキルが上がっているが、実際に加工されている皆様には周知頂きたい。
指定されることもあると思うので障壁はあると思うが、不良の原因はこのようなところに潜んでいることもある。材料メーカーも物質改良剤、着色剤、耐久剤、売面特性改良剤、成形性改良剤などの添加剤について、もっとオープンに開示していただきたいと願うばかりだ。最も、ここが企業秘密であり公開が難しいのも事実である。

 

・ファンデルワールス力について申し上げる。
一般に汚れとは、液体が固体になった際、又は液体が粘着になった状態で、均一に引き合って付く作用を著者はセミナーで申し上げている。その作用を分子間引力と言っている。 分子には相極性があり、これによって分子間引力が生じる。汚ればかりでなく、接着剤やガムテープなどの粘着剤、そして塗料による塗装もこの働きによって成し遂げられる。
ただ、面白い事に位置エネルギーが小さくなるに従い大きくなるが、ある距離以上接近すると反発力が生まれる。力はいろいろな要素によってその大きさが決まるが、分子に含まれる電子数、分子の大きさ、分子の形に影響を持つ。例えば、大きい分子間では大きく働く。
又、分子の結晶性とイオン性結晶では、イオン性の格子エネルギーが大きく、従って融点や沸点も高くなる。分子が大きくなるとき、それのもつ核の正電荷、電子数がそれらに応じて持つ負電荷が多くなり、一時的に生じる双極子モーメントが大きくなる事がファンデルワールス力を大きくする。
尚、配向効果、誘起効果、分散効果の3つに分けられ、公式は

ファンデルワールス力公式

いずれもファンデルワールス力は、ゴミの付着からプラスチック、及び塗装の密着まで関係しており、この法則抜きには考えられないし、技術に携わる方々の必須項目であることには間違いないのである。

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