【10分でわかるプラスチック洗浄と表面改質レポート】
~追記・技術編2~
Addilional・Technogy
- 液体におけるソルベント反応のテストであるが、例えばABS樹脂などでは、アルコール(メタノール、エタノール、IPA)を24h、48h及び168hの浸水テストを行ない評価を行なっている所が、実に多い。これは過酷な破壊テストである。よって適剤であっても、無駄な費用と時間を費やすだけである。単に申せば、アルコールの容器を作っているのであれば別であるが。非結晶性の樹脂の場合、その樹脂そのものの特性を知る必要がある。(高分子ポリマーとファンデルワールス力をよくお読みください。)
- アルコール以外でのソルベント反応については参考付録の大切なアドバイスに記載してあるので、もう一度、読んで頂きたい。
- 応用圧力によってソルベント反応が変わる事をご周知だろうか。これには2つの事が挙げられる。
①材料の製造プロセスで同一な材料でも、ソルベントクラックを起こすものと起きないものがある。押出しとキャストがそれである。※町の看板屋さんはキャスト板しか使わない。それは、取付穴加工を空けたり、取付した後に風雨にさらされて事故が発生する事を身をもって知っているからだ(PMMAの例)②材料そのものに、例えばアルコール(メタノール)が反応しなかったが、穴加工など切削加工されたところには、ソルベントクラックが入る事が多い。例えばPMMAが、その一例である。※成形品には、必ず応用圧力が残っている。ゲートやウエルドに多くみられる。ただし結晶性の樹脂はこの限りではない。つまり結晶性の樹脂はソルベント反応を起こさない。(分類については略)つまり材料をよりよく知らなければならないのである。それは、材料の架橋構成や化学的特性であり、そのベースに経験やノウハウが重なってひとつの技術になる訳だが、従来どおりの引き継ぎで、経験やノウハウがベースになっていないか、今、見直しが求められている。 - 一般的には、ソルベント反応は、溶剤や酸、アルカリなどの液体による直接的な接触及び浸水によるものが全てと思われがちだが、実はガス(有機・無機含)によるものと温度差によるものがある事をご存じだろうか。これは経験しないとわからないかもしれない。例えば、成形工程の前後に接着剤プロセスがあったり、洗浄液が近くにあったりすると、直接ではなくても、ソルベント反応を引き起こす事故のケースもある。又、気化熱によってソルベント反応を起こすケースである。一般的には、拭き取り作業に起こす事が多い。
- よく質問されるもので、メタノールなどが残ってしまって、後で大きな事故につながらないか?がある。例えば10分~20分の浸水(超音波)やウェット(ブラシ)の場合では、一般、常温下では起きない。なぜならメタノールは気化し、最終的には水と二酸化炭素になってしまうからである。下記はそのプロセスである。
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