除菌クリーナーの消毒効果 報告書
<公立大学法人福島医科大学受託研究報告による>
・インフルエンザウイルスに対する消毒効果
・アデノウイルスに対する消毒効果
・一般細菌に対する消毒効果
・結論
除菌クリーナーの消毒効果 報告書
インフルエンザウイルスに対する消毒効果
材料と方法
- ウイルス
- A型インフルエンザウイルス(H3N2 Murakami 株)
- 方法
- 1. 除菌クリーナー95μlとウイルス液5μlを混合
2. 5秒後、4.9mlの培地を混合(エアロ・クリーンは約50倍希釈)
3. 上記の液を10倍段階希釈し、24wellあるいは12well plateにmonolayerとなるよう培養したMDCK cellsでウイルスタイターを測定。
結果
実験1. 190pfuのウイルスが5秒のAERO CLEAN処理で0pfuとなった。 > 99.5%の消毒効果
実験2. 240pfuのウイルスが5秒のAERO CLEAN処理で2pfuとなった。 > 99.2%の消毒効果
除菌クリーナー5秒処理で、99%以上のインフルエンザウイルスを不活化し、感染性をなくせた。
アデノウイルスに対する消毒効果
材料と方法
- ウイルス
- ヒトアデノウイルスC 血清型5型
- 方法
- 1. 除菌クリーナー95μlとウイルス液5μlを混合
コントロールとして80%エタノールを用いた。
2. 5秒後、30秒後、60秒後に4.9mlの培地を混合(除菌クリーナーは約50倍希釈)
3. 上記の液を10倍段階希釈し、24wellあるいは12well plateにmonolayerとなるよう培養したA246 cellsでウイルスタイターを測定。
結果
5秒処理 | 30秒処理 | 60秒処理 | |
---|---|---|---|
除菌クリーナー | 10.6 | 94.8 | 91.0 |
80%消毒エタノール | 11.4 | 96.6 | 96.4 |
以上の結果の通り、除菌クリーナーのアデノウイルス消毒効果は消毒用エタノールとほぼ同等で、アデノウイルスを90%以上不活化するには30秒の処理時間が必要で、5秒の処理ではほとんど不活化できなかった。
一般細菌に対する消毒効果
材料と方法
- 細菌
- 以下の臨床分離株を用いた。
・ 多剤耐性黄色ブドウ球菌株
・ 大腸菌
・ 緑膿菌 - 方法
- 1. 除菌クリーナー又は80%消毒用エタノール又は生理食塩水95μl(コントロール)とMcFarland0.5となるよう被験菌を浮遊させた菌液5μlを混合
2. 5秒後、4.9mlの生理食塩水を混合(エアロ・クリーンは約50倍希釈)
3. 上記の液を生理食塩水で10倍段階希釈し、直径90mmのシャーレに作成したLB agar培地に50μl接種して、スプレッダーで均一に塗り広げた。この培地を37℃, over night培養し、翌日コロニーをカウントした。コントロールに対する、消毒後の菌数から、消毒効果を算出した。
結果
菌名 | 80%エタノール | 除菌クリーナー |
---|---|---|
大腸菌 | 43.0 | 91.5 |
多剤耐性黄色ブドウ球菌 | 2.2 | 97.8 |
緑膿菌 | 73.2 | 100 |
以上の結果より、除菌クリーナーは80%消毒用エタノールよりかなり強い消毒効果があり、5秒処理で90%以上のブドウ球菌、大腸菌、緑膿菌を不活化した。
結論
除菌クリーナーは一般に用いられる消毒用エタノールとほぼ同様か強い消毒効果を示した。つまり、一般細菌やエンベロープを持つウイルス(例えばインフルエンザウイルス)には非常に強い消毒効果を示す。一方、エンベロープを持たないウイルス(たとえばアデノウイルス)に対する消毒効果はやや劣り、アルコールを浸した布で拭く程度の処理時間では充分な消毒効果は得られない。芽胞に対する効果は調べていないが、消毒用アルコール同様、期待できないものと予想している。
以上の結果から、除菌クリーナーは環境の消毒を目的とした消毒剤として有望である。また、数十秒間浸漬するような使用方法をとればアデノウイルスも消毒可能で、眼科領域の器具の消毒にも使える可能性が示された。
<公立大学法人福島医科大学受託研究報告による>
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