工業用洗浄剤・洗浄機メーカーです。有機溶剤代替に使用できる有機則・PRTR非該当の環境対応型洗浄剤イレイザシリーズをはじめ、薄膜ガラス洗浄装置やプラスチックの洗浄装置等。ガラス・金属・プラスチック(樹脂)を軸に産業洗浄に広く貢献致します。

PRTR法について

PRTRとは

「Pollutant Release and Transfer Register」の略称。

和訳すると“化学物質排出移動量届出制度”。

有害性のある化学物質が、どこから・どれくらい環境中に排出されたかを管理・把握するための法律です。

あるいは廃棄物に含まれて事業所の外に運び出された場合もデータを把握・集計し、公表する義務があります。

なぜ定められたのか

PRTRの先駆的なものは、1970年代にオランダで、また80年代に米国で導入されていましたが、その重要性が国際的に広く認められるきっかけになったのは1992(平成4)年に開催された地球サミットであり、ここで採択された「アジェンダ21」や「リオ宣言」の中で、PRTRの位置づけやその背景となる考え方などが示されました。その後OECDによるPRTRの普及に向けての積極的な取り組みがあり、現在はOECD加盟国を始め、多くの国々がPRTRを実施したり、導入に向けて取り組んだりしています。
日本でも1996(平成8)年よりPRTR導入の検討を開始、中央環境審議会での審議などを経て、1999(平成11)年に法制化されました。

PRTRの各国比較

国名
制度
対象物質数 対象施設 届出データの扱い 開始時期
米国
TRI
(有害物質排出目録)
682 製造業等
(業種指定。従業員数及び年間取扱量ですそ切り)
個別データ及び
集計データを公表
1987年
カナダ
NPRI
(全国汚染物質排出目録)
346 製造業等
(業種指定。従業員数及び年間取扱量ですそ切り)
個別データ及び
集計データを公表
1993年
豪州
NPI
(全国汚染物質目録)
93 製造業等
(年間取扱量ですそ切り)
個別データ及び
集計データを公表
1998年
英国
PI※2※3
(汚染目録)
大気への排出70(66)
水への放出89(89)
土壌への排出66(66)
下水道への移動88(89)
製造業等
(業種指定。年間排出量ですそ切り)
個別データ及び
集計データを公表
1991年
オランダ
Emission Register※3
(排出目録)
300以上 環境管理法上の許可が必要とされる施設等 個別データ及び集計データを公表 1974年
EU
E-PRTR
(欧州汚染物質排出移動登録)
91 製造業等
(事業活動指定。年間排出量ですそ切り)
個別データ及び集計データを公表予定 2007年
日本
PRTR
(化学物質排出移動量届出制度)
462(平成22年度以降) 製造業等
(業種指定。従業員数及び年間取扱量ですそ切り)
個別データ及び
集計データを公表
2001年

 

(参考)他のOECD加盟国の状況
ベルギー・フランドル地方※3  (1993年~  大気82物質、水質108物質)、
デンマーク※3  (1997年~  )、
フィンランド※3  (1988年~  )、
ノルウェー  (1992年~  38物質)、
アイルランド※3  (1996年~  )、
スウェーデン※3  (2000年~  )、
イタリア※3  (2002年~  )、
韓国  (1999年~  415物質)、
メキシコ  (1997年~  104物質)、
スロバキア※3  (2003年~  )、
スイス  (2001年~  86物質)、
フランス※3  (2003年~  E-PRTR対象項目及びその関連項目95項目、その他の特定項目33項目、科学研究開発施設のみの対象項目及び他に掲げられていない項目56項目)
※1
各種資料より作成した。
※2
環境規制上の許可を受け、当局の規制対象となる施設に係る対象物質数。括弧内は、当局の規制対象外であるが、E-PRTRの対象となるプロセスを操業している施設に係る対象物質数。
※3
EU加盟国はE-PRTRの下で取組を実践している。

環境省ホームページ引用

PRTR対象物質

第一種指定化学物質の例
揮発性炭化水素 ベンゼン、トルエン、キシレン等
有機塩素系化合物 ダイオキシン類、トリクロロエチレン等
農薬 臭化メチル、フェニトロチオン、クロルピリホス等
金属化合物 鉛及びその化合物、有機スズ化合物等
オゾン層破壊物質 CFC、HCFC等
その他 石綿等

経済産業省ホームページ引用

PRTR制度の対象となる化学物質は、本法上「第一種指定化学物質」として定義されています。具体的には、人や生態系への有害性(オゾン層破壊性を含む)があり、環境中に広く存在する(暴露可能性がある)と認められる物質として、計462物質が指定されています。そのうち、発がん性、生殖細胞変異原性及び生殖発生毒性が認められる「特定第一種指定化学物質」として15物質が指定されています。以下参照。

PRTR該当物質一覧

PRTR義務内容

事業者による化学物質の排出量等の把握と届出

・事業者は、個別事業所ごとに化学物質の環境への排出量・移動量を把握し、都道府県経由で国(事業所管大臣)に届け出なければなりません。
※営業秘密に係る部分は、直接事業所管大臣へ届け出ることとしています。

国における届出事項の受理・集計・公表

事業所管大臣は、届け出られた情報について、環境大臣及び経済産業大臣へ通知します。

経済産業省及び環境省は共同で、届け出られた情報を電子ファイル化し、物質ごとに、業種別、地域別等に集計・公表するとともに、事業所管大臣及び都道府県に通知します。
※事業所管大臣及び都道府県は、通知された事業所ごとの情報をもとに、事業者や地域のニーズに応じ集計・公表することができます。

経済産業省及び環境省は共同で、本法の届出義務対象外の排出源(家庭、農地、自動車等)からの排出量を推計して集計し、併せて公表します。

データの開示と利用

国(経済産業大臣、環境大臣及び事業所管大臣)は、国民からの請求があった場合は、個別事業所の届出データを開示します。

国はPRTRの集計結果等を踏まえて環境モニタリング調査及び人の健康等への影響に関する調査を実施します。

prtr制度の仕組みの画像

産業業界におけるPRTR法

上記にもある通り、日本や環境問題に意識の高い欧州だけでなく、アメリカや韓国などでも次々に規制を強化し始めた背景があり、貿易の際に摩擦となることもある為、昨今削減対象物質としてPRTR該当物質を掲げる企業が増えてきました。

またISO14000認証取得やグリーン調達に取り組む企業にはこれらの有害物質の段階的削減および廃止が必須課題でもあります。

ジクロロメタン
トリクロロエチレン
テトラクロロエチレン
1,1,1-トリクロロエタン

等PRTRに該当する塩素系洗浄剤の代替は以下をご参考ください。

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